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読書を楽しむ「佐藤青南 市立ノアの方舟」

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不況と少子高齢化で入園者が激減した野亜市立動物園には

廃園の噂が流れていた 

市役所職員の磯貝は人事異動で園長を命じられた 

職業体験の中学生3人を2日間受け入れることになった動物園。中学生は谷津・真島・古屋で動物たちのご飯の用意を調理室で平山飼育担当者の指導で実習した。途中で平山は朝礼でその場を離れた。朝礼では吉住飼育員が園長に廃園の噂を質問した。動物園の跡地にショッピングセンターができるという噂は本当かという問いだった。吉住は動物園で働きたくて市の職員になった男だった。キリン担当の遠藤は引き取り手が見つかるまでは動物の世話をすると言った。アジアゾウの飼育員3人も動物の幸せが一番だと言った。平山が調理室に戻ると谷津が包丁で怪我をして原因は古賀だと谷津が言った。中学生3人はキリンの展示場へ行き2頭のキリンの獣舎の掃除をした。無料休憩所では園長が職員のひとりとカレーライスを食べていた。カレーライスは園長が駅前の商店街のカレー屋に依頼して動物園で食べることができるようにしたものだった。キリンの飼育員遠藤は中学生3人に自分はいじめられっ子だったことを話す。そしてキリンは臆病な動物だけど勇敢という話をする。キリンは攻撃を受けた時しか反撃しないと話す。キリンは自分より大きなオスと競いたがり小さな相手はいじめない動物だと教える。中学生は1日目の職業体験が終了した。動物園を離れると谷津と真島が古賀を奴隷扱いしたが古賀はキリンのようにふたりに立ち向かっていった。中学生たちの職業訓練2日目は「夜の動物園」の展示場の掃除をしてから担当員の大前と真島がスローロリス(サルの仲間)に冷凍イナゴの餌やりをした。谷津はヨザルの世話をすることになり扉を開けたまま展示場の中に入り2匹のヨザルが谷津に飛びついて逃走した。1匹はサル山の木の上にいて捕獲できたが、もう1匹はゴリラの展示場にいた。ヨザルはゴリラのコータローと遊んでいたが飼育員は信じられなかった。園長も孫を連れてお休みの日に動物園を訪れた。お目当はヨザルとゴリラ。ネットで動画も掲載され5万人が観ていた。

園長は動物園の廃園が決まっても最後の1頭の引き取り手が決まるまで抵抗すると宣言した。船長が真っ先に船を降りるわけにはいかなかった。動物園の跡地のことについては断るつもりだと言った。

ひとは人生で3度動物園を訪れる。親に連れられ、わが子を連れて、孫を連れて。

人間は動物の自由を奪い見世物にするという罪を犯した。その罪を償うために動物園は命のバトンをつなぎ続けなければならない。いろいろ勉強になります。


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