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読書を楽しむ「宮島未奈 成瀬は天下を取りにいく」

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滋賀県大津市に住む成瀬あかりは中学2年生

営業を8月末で終了する

大津市唯一のデパート西武大津店に

毎日通うと宣言した

成瀬の友人は同じマンションに住む島崎みゆき。幼稚園に通っている頃から、成瀬は他の園児と一線を画していた。走るのは誰よりも早く、絵を描くのも歌を歌うのも上手で、ひらがなもカタカナも正確に書けた。あかりちゃんは凄いと持て囃した。しかし学年が上がるにつれて成瀬は一人でなんでもできてしまうため周囲から孤立していった。小学校5年生になると、成瀬は女子から明確に無視されるようになった。中学2年生になった成瀬は他人の目を気にすることなくマイペースで生きている。7月の終わりに成瀬は島崎に「この夏を西武に捧げようと思う」と変なことを言い出した。(ありがとう西武大津店)

9月なって成瀬はまた変なことを言いだした。「島崎、わたしはお笑いの頂点を目指そうと思う」と言った。島崎が「M-1にでも出るの?」と聞いたら、成瀬は「正解」と言った。コンビ名は、膳所(ぜぜ)から来たので「ゼゼカラ」と決めた。(膳所から来ました)

成瀬あかりは高校生になった。入学式にあかりは坊主頭で出席し新入生代表者として挨拶した。ホームルームで自己紹介したときにけん玉を持参して披露した。膳所校では部活動を班行動といって成瀬は毎年全国大会に出場しているかるた班に入った。成瀬は東大のオープンキャンパスへ深夜バスで出かけ、中学の同級生で同じ高校の大貫かえでと出会い一緒に西武池袋本店に行った。成瀬は大貫に写真を撮ってもらって「わたしは将来、大津にデパートを建てようと思っているんだ」と言った。(線がつながる)

滋賀市民センターでかるたの選手権大会が行われていた。あかりは高校2年生になっていた。広島県代表の錦木高校の西浦と中橋に挨拶されたが試合があるためと断り、あさって午前10時30分に大津港まできて来て欲しい。ミシガン乗ろうと言い残して去った。当日、あかりは商店街の福引でミシガンクルーズペア招待券を当てたと言ってふたりに渡した。大津市民憲章に「あたたかい気持ちで旅の人をむかえましょう」書かれていたことを実行した。かるたの話をしていた時に西浦が「成瀬さんの目標は?」と聞いたら「わたしは200歳まで生きようと思っている」と答えた。(レッツゴ―ミシガ)

成瀬あかりは島崎と漫才の練習をしていたときにときめき夏祭りの実行委員長にスカウトされ、以来毎年委員を担当している。その島崎が「東京に引っ越すことになった」とさりげなくあかりに言った。翌日からあかりは不調に陥った。洗剤をこぼし、ハムエッグを焦がし、数学の問題は解けず、特技のけん玉もうまくいかず、公園の近くで大貫に出会い彼女に数学の問題が解けず困っていると言ったら、「教科書の例題でもやってみたら」と言われ、それ以外に髪を切ったほうがいいと言われた。あかりは髪をカットして、坊主頭から28ケ月で30Cmから31Cm延びることが分かった。成瀬は江州音頭の練習会にひとりで参加し、漫才コンビ「ゼゼカラ」は今年で解散すると話した。成瀬は毎年漫才をやることを楽しみにしていたが島崎が引っ越すとできなくなると思い込んでいた。島崎はゼゼカラを辞めるとは言ってないと言い夏祭りの日には帰ってくると言った。(ときめきの江州音頭)

変なことを言い出す女の子・成瀬あかりが主人公の物語は本年度の本屋大賞を受賞した。本屋大賞ファンとしてはイマイチ物足りないが孫の中学2年生にこの本を贈ろうと思う。刺激になれば価値はある。


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